公正取引委員会第185号メールマガジン‏(平成24年11月20日(火)発行 第185号 )ダクタイル鋳鉄管シェア配分カルテル事件の課徴金納付命令、藤久株式会社に対する勧告、郵船ロジスティクス株式会社による審決取消請求事件判決

平成24年11月20日(火)発行 第185号

1.事務総長定例会見

  • 11月14日
     ダクタイル鋳鉄管シェア配分カルテル事件の課徴金納付命令に係る審決取消請求訴訟について
     本日,私からは,審決取消訴訟と,ベトナムの競争当局に対する技術研修の2点についてお話ししたいと思います。
     まず1点目ですけれども,いわゆるダクタイル鋳鉄管のシェア配分カルテルの事件の課徴金納付命令に係る審決取消訴訟について,去る10月25日に最高裁判所において決定がありましたので,このことについてお話ししたいと思います。
     本件は,日本鋳鉄管,栗本鐵工所,クボタの3社によるダクタイル鋳鉄管直管,このダクタイル鋳鉄管直管というのは,水道や下水道,都市ガスの導管として用いられるものですが,この鋳鉄管のシェア配分についてのカルテルを行っていたものです。この分野は,3社で100%のシェアを占めていたところ,3社は,平成8年度及び平成9年度において,各社の基本の配分シェアをそれぞれ,日本鋳鉄管については10%,栗本鐵工所については27%,クボタについては63%と設定しまして,これを基にして,各年度の総需要の見込数量や各社の前年度までの受注数量などを勘案して,年度ごとの各社の配分シェアを決定し,各社がそのシェアに合致するように受注数量を調整することを合意していた事案であります。
     本件について,公正取引委員会は,審判を開始しまして,平成21年6月30日,3社に対して,日本鋳鉄管には約10億5000万円を,栗本鐵工所には約29億3000万円を,そして,クボタには約70億7000万円をと,総額約110億円の課徴金の納付を命じる審決を行いました。これに対して3社は,本件シェア配分カルテルに関して,独占禁止法において課徴金の納付命令の対象となる行為は「実質的に商品若しくは役務の供給量を制限することによりその対価に影響があるもの」となっているわけですが,この供給量の制限に,本件シェア配分カルテルは該当しないという主張等をしまして,審決取消訴訟を提起したものです。
     これに対しまして,平成23年10月,東京高裁におきましては,本件カルテルでは総需要の見込数量に各社ごとの年度シェアを乗じることによって算出された受注予定数量があるわけですが,この予定数量は,これを超えては生産・販売をしないという上限を画し,原告らの供給量を制限するものである,したがって,本件カルテルは自由競争の下における供給量よりも供給量を制限するものと言え,特段の事情のない限り,対価に影響するものと認められるとして,本件審決に対する原告ら3社の請求をいずれも棄却いたしました。
     原告ら3社は,この東京高裁の判決について,最高裁に対して上告と上告受理の申立てを行いましたが,本年10月25日,最高裁は,上告の棄却と上告の不受理決定を行いまして,このダクタイル鋳鉄管シェア配分カルテル事件に係る課徴金の納付を命ずる審決が確定したところです。
     公正取引委員会としましては,最高裁の今般の決定の結果も踏まえまして,今後とも独占禁止法の厳正かつ適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
     ベトナム競争当局に対する独占禁止法と競争政策に関する技術研修の実施について 
     続きまして,ベトナム競争当局の職員に対する研修の実施についてお話ししたいと思います。
     公正取引委員会は,JICAの協力の下で,ベトナムの競争当局でありますベトナム競争庁とベトナム競争評議会の職員に対して,今月の中下旬に我が国の独占禁止法や競争政策に関する研修を行っております。
     ベトナムでは,平成17年から競争法が施行されておりまして,競争法の執行の実績が積み重なってきておりますが,職員の審査能力の向上や競争法・競争政策の普及・啓発など,まだ取り組むべき課題は数多いと聞いております。
     公正取引委員会は,ベトナムにおける競争法の充実と執行の強化に資することを目的として,平成20年度から公正取引委員会の職員1名をJICAの長期専門家としてベトナム競争庁に派遣するなどの協力を行っているところです。日本での研修は平成20年度から開催しておりまして,今回が第8回目となります。
     今回のベトナム競争当局に対する研修は,ベトナム競争庁の職員7名とベトナム競争評議会の職員1名を日本に招いて,約3週間にわたって行われまして,大学教授などの方から,日本の独占禁止法の規制や競争政策といった理論面からの講義と,公正取引委員会の職員が講師となりまして,審査手続や違反事件に関する実務的な講義を行うことを予定しております。
     こうした取組を通じまして,ベトナムにおいて競争法がより適切に執行される環境整備に貢献するとともに,公正取引委員会とベトナム競争当局との協力関係を一層強化していきたいと考えております。
     http://www.jftc.go.jp/teirei/h24/kaikenkiroku121114.html

2.報道発表

【平成24年11月12日~平成24年11月16日】

3.独占禁止法関係判決について

      • 平成24年11月9日
        郵船ロジスティクス株式会社による審決取消請求事件判決について(国際航空貨物利用運送事業者らによる価格カルテル事件) 郵船ロジスティクス株式会社(以下「原告」といいます。)による審決取消請求事件(平成23年(行ケ)第16号)について,東京高等裁判所にて請求を棄却する判決がありました(11月9日)。
         本件は,被告が平成23年7月6日付けでした平成21年(判)第18号及び第22号審決(国際航空貨物利用運送事業者らによる価格カルテルに係る審判請求を棄却する審決。以下「本件審決」といいます。)について,原告が,①本件審決が認定した国際航空貨物利用運送業務(以下「本件業務」といいます。)の運賃及び料金について,荷主向け燃油サーチャージ,一定額以上のAMSチャージ,一定額以上のセキュリティーチャージ及び一定額以上の爆発物検査料(以下「4料金」といいます。)を荷主に対し新たに請求する旨の合意(以下,燃油サーチャージに係る合意につき,「本件燃油サーチャージ合意」,AMSチャージに係る合意につき,「本件AMSチャージ合意」,セキュリティーチャージ及び爆発物検査料に係る合意につき,「本件セキュリティーチャージ等合意」といい,併せて「本件各合意」といいます。)について,原告は,4料金の金額を決定していないにも拘わらず,価格合意を含んでいると解することは,法令に違反し,本件各合意の内容についての実質的証拠がないこと,②本件審決は,請求合意の成立を認定しているにすぎず,価格合意の成立を認定していないこと,③本件各合意が成立していたとしても,本件各合意が競争を実質的に制限することを立証する実質的な証拠がないこと, ④本件各合意は不当な取引制限にあたらず,4料金は,本件業務の役務の対価の一部であって,当該一部の金額だけを取り上げて,役務の対価であるとはいえないこと, ⑤本件業務は小売業に該当するため,課徴金算定に誤りがあることなどを理由にして,本件審決の取消しを求めて提訴した訴訟です。
         東京高等裁判所は,(1)(ア)本件燃油サーチャージ合意について,前提となる事実及び本件審決に挙げられた証拠によれば,14.9役員会において,12社間(本件の違反行為に係る同業事業者)に本件燃油サーチャージ合意が成立し,日通及びDHLも遅くとも14.11理事会までにはこの合意に参加したものとする本件審決の認定判断は合理的なものであり,実質的な証拠もあると判断するのが相当であり,14社の間で,本件燃油サーチャージ合意が成立したとする本件審決の認定判断は合理的なものであり,実質的証拠もあると解するのが相当である,(イ)本件AMSチャージ合意について,前提となる事実及び本件審決に挙げられた証拠によれば,16.11役員会において,本件AMSチャージ合意が成立したとする本件審決の認定は合理的なものであり,実質的証拠もあると解するのが相当である,(ウ)本件セキュリティーチャージ等合意について,前提となる事実及び本件審決に挙げられた証拠によれば,18.2役員会において,本件セキュリティーチャージ等合意が成立したとする本件審決の認定は合理的なものであり,実質的証拠もあると解するのが相当である,(2)本件排除措置命令の主文の記載自体及び本件排除措置命令の理由からも明らかなとおり,その内容は,「国際航空貨物利用運送業務の運賃及び料金について,・・・利用する航空会社から燃油サーチャージの請求を受けることとなるときは,当該航空会社から請求を受ける燃油サーチャージの額に相当する額を,荷主に対する燃油サーチャージとして荷主に対し新たに請求する」というものであることが明らかである。そして,14社が荷主に燃油サーチャージを請求するに当たっては,請求する金額を決定していることが当然の前提となるものというべきであり,14社が荷主に請求する本件燃油サーチャージの額は,航空会社から請求される燃油サーチャージの額に相当する額であるというのであるから,ここにいう「当該航空会社から請求を受ける燃油サーチャージの額に相当する額を,荷主に対する燃油サーチャージとして荷主に対し新たに請求する」とは,航空会社から燃油サーチャージとして請求を受けることになる金額に相当する額を荷主向け燃油サーチャージの額として決定した上で,荷主に同額の負担を求めることと解することになるのは明らかというべきであり,また,本件燃油サーチャージ合意以外のその余の本件各合意についても以上と同様に解するのが相当であるから,本件違反行為に係る本件各合意は,本件4料金のそれぞれについて金額を決定した「価格の決定カルテル」であり,独占禁止法第2条第6項所定の「対価を決定する」ものに該当すると判断するのが相当である,(3)14社(平成16年以降は13社)の本件業務における貨物量の合計は,平成13年から平成20年までの我が国における本件業務における総貨物量の72.5%ないし75.0%を占めていたことからすると,このような市場占有率を有する14社によって,本件業務に関する不当な取引制限に当たる合意が成立すれば,本件業務の取引分野における競争を実質的に制限する結果となることは明らかというべきである,(4)本件4料金は,本件業務という役務の対価である運賃等の一部であるところ,これについての本件各合意は,本件事業者である14社(又は13社)が共同して対価を決定したものであり,独占禁止法第2条第6項の「不当な取引制限」に当たることは明らかというべきであり,また,本件燃油サーチャージは,本件事業者が荷主から委託を受けた本件業務の対価として本体運賃とともに徴収されるものであるから,本件燃油サーチャージ合意は,独占禁止法第7条の2第1項第1号の「役務の対価に係る」ものであることが明らかである,(5)原告を含む本件事業者が行う本件業務は運輸業に分類されるものと解するのが相当であり,原告の行う本件業務が,商品を仕入れて,これをさらに販売する小売業や卸売業に当たるものといえないことは明らかであると判断して,原告の請求を棄却しました。
         平成23年(行ケ)第16号
         http://snk.jftc.go.jp/JDS/data/pdf/H241109H23G09000016_/121109.pdf121109_郵船ロジスティクス株式会社による審決取消請求事件判決 (埋め込みPDF)

 

       〔参考〕
       平成21年(判)第18号及び第22号審決
       

http://www.jftc.go.jp/pressrelease/11.july/11070802.pdf

11070802_平成21年(判)第18号及び第22号審決

4.お知らせ

 

    • 地方講演会の開催について
       公正取引委員会の活動内容を広く知っていただくとともに,公正取引委員会に対する御意見・御要望等をお伺いするため,全国10都市において,「公正取引委員会の果たすべき役割‐公正で活力のある経済社会に向けて‐」と題して,公正取引委員会の委員等による講演会を開催いたします。
       皆様の御参加を心よりお待ちしております
       独占禁止法講演会の詳細・申込方法等は,こちらを御覧ください。
       http://www.jftc.go.jp/kondankaikouenkaih24.html
    • 下請取引適正化推進月間(11月1日~30日) 公正取引委員会,中小企業庁
       
       公正取引委員会及び中小企業庁は,下請取引の適正化について,下請代金支払遅延等防止法の的確な運用と違反行為の未然防止,下請中小企業振興法に基づく振興基準の遵守の指導等を通じ,その推進を図ってきています。特に,昭和54年度から,毎年11月を「下請取引適正化推進月間」とし,下請取引の一層の適正化を推進するため,新聞等のメディアを通じた広報,下請取引適正化推進講習会の開催などの事業を実施しています。
       公正取引委員会の行う下請取引適正化推進講習会では,下請代金支払遅延等防止法の内容について,日頃,相談に対応している実務担当者が懇切,丁寧に説明を行うこととしています。
       皆様の御参加を心よりお待ちしております。
       下請取引適正化推進講習会の詳細・申込方法等は,こちらを御覧ください。
       http://www.jftc.go.jp/pressrelease/12.october/121001.pdf
<発 行>
公正取引委員会事務総局官房総務課広報係

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